それいけ!ファンゴ君G (4)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
魚で腹を満たした青プーさんに案内され、ボクらは海が見える少し薄暗い所へとやってきた。
そこには数頭のケルビが群れをなしている。
へー、こんな所があるんだな。
と辺りをキョロキョロしていると、空からなにやらバサバサと羽音とともに、色鮮やかな鳥が舞い降りてきた。
ラッパのようなクチバシに、胸のところが赤い、なんともおちゃらけた姿の鳥だった。
その鳥が青プーさんに気が付くや否や、
「あっ!ちょっとそこのアンタっ!この前、ウチの魚を横取りしてったヤツでしょっ?!」
青プーさん・・・あちこちで魚ドロボウ呼ばわりだなw
「ペッコさんのおさかなとってないもん♪ぼくはぼくのおさかなたべただけだもん♪」
このやり取りを聞くのは、はたして何度目だろうか・・・。
ペッ子?って言うのか、コイツ?ぷっww
そして、癇癪を起したペッ子と青プーさんの泥仕合が始まる訳でつね、分かりまつ・・・。
「べっ、別に、ウチの魚を食べたいなら食べたいって言ってくれれば、分けてあげないこともないんだからねっ」
あれ?
なんだ?
斜め上の展開になってきたぞw
まさかのツンデレペッ子か?
「ペッコさんのおさかなじゃないもん♪ぼくのおさかなだもん♪」
「だっ、だからっ、アレはウチの魚だったって言ってるでしょ?」
「ちがうもん♪ぼくのだったもん♪」
「なんなのよーっ、アンタって熊はっ!!キーーーっ!!!」
ボクの予想通り、癇癪を起したペッ子は、カチカチっと翼の先端に付いている硬そうな所を擦り合わせ、一っ跳びごとに爆発を起こしながら青プーさんへと近寄っていった。
なんだ、アイツ?
火打石でも付けてるのか?
「あついよー♪やめてよー♪」
「ごめんなさいって言ったら許してあげなくもないわよっ!」
「ぼく、なにもわるいことしてないもん♪」
「キーーーっ!!」
おぃおぃ・・・そこは悪くなくとも謝ってご機嫌取るのが紳士だろw
怒りが収まらないペッ子は、青プーさんをついばみ始めた。
「いたいよー、ペッコさーん♪」
連続するついばみを払おうとした青プーさんは、思わず右フックをペッ子に食らわしてしまった。
その弾みで地べたへ転んでしまったペッ子。
「・・・ったーいっ!もう完全に怒ったぁー!!」
むくりと起き上がると、激おこペッ子はグォーーーーっ!とどこかで聞いたことのある鳴き声を発した。
なんだ?
しばらくすると、バサバサと空から大きな羽音とともに、あろうことか女王が舞い降りてきた。
ペっ子のヤツ、女王を呼んだのかっ?
知り合いだったのか、コイツらっ?!
「ふんっ、ウチを侮辱した罰なんだからねっ」
ドヤ顔をするペッ子ではあったが、女王はボクらではなく、何故かペッ子に向かって突進していった。
「ちょっ、ちょっとぉ!あっちに頭悪そうな熊がいるでしょ!!」
「アンタねっ?いつもイタズラで無駄に私を呼んでるのはっ?!」
「ちっ、違うってば!あれは・・・ウチじゃないって!!」
「デートしてても、ご飯食べてても、○○○してても、いつもいつも邪魔ばっかりしてーっ!」
「だっ、だから違うってばーーっ!ちょっと、アンタ達っ、ボサっと見てないで助けなさいよっ!!」
ペッ子乙!
女同士の争いには、関わらない方が吉と・・・。
ボクは、青プーさんとそっとそのエリアを脱出した。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。