私はグークです。
ここしばらく、ハンターさんの姿を見ていません。
何かあったのでしょうか?
それとも、私のことが・・・嫌いになってしまったんでしょうか?
1羽・・・また1羽と、このガーデンにいた他のグーク達がどこかへと旅立っていきました。
そして、とうとうグークは私1羽だけになりました。
私も皆と同じく旅立った方が良いのでしょうか?
でも・・・もしかしたら・・・。
私はチラっとガーデンの入口に目をやりました。
しかし、誰も来る気配がありません。
あと1日だけ待ってみることにします。
翌日も、その翌日も、誰もこのガーデンにはやって来ませんでした。
私は、世話焼き猫さんへ相談してみました。
世話焼き猫さんは、私の好きにしたら良いと言ってくれました。
そして最後に、家出したグークをハンターさんが探しに行くこともあるよと言ってくれました。
もしも私が旅立ったなら、ハンターさんは・・・探しに来てくれるでしょうか?
もし・・・探しに来てくれなかったら・・・。
・・・いいえ、ハンターさんならきっと探しに来てくれるはずです。
でも、もし・・・。
あと1日だけ待ってみます。
・・・あと1日・・・。
・・・・・・・・・。
あれから何度目かの朝を迎えた私は、ハンターさんが今まで私にくれた、たくさんの洋服をしまっている箱を覗いてみました。
その中から、鬼神のような洋服を取り出しました。
これなら野生のグークと違って、きっと目立つはずです。
私は、鬼神の洋服に身を包んで世話焼き猫さんへ、今までのお礼と最後の挨拶をしてからガーデンを飛び出ました。
ハンターさん・・・。
私・・・待っていますね。
ハンターさんが迎えに来てくれるまで・・・ずっと・・・待っています。
そして、いつの日か・・・今よりももっと逞しくなって、大きく成長した私を見て驚かないで下さいね。
親愛なるハンターさんへ
あなたのグークより