少年日記

<郵便アイルー編>
やぁ!
オイラ、モガの村からトーちゃんと魚を売りに船でやってきたんダ!
トーちゃんが仕事してる間は、港で遊んだり釣りして待ってんのサ!
待っている間、暇だから港をブラブラしてみたんダ!
今日もギルドカードを配っている郵便アイルーがいたから話掛けてみたんダ!
「やぁ!今日も配達頑張ってるネ!」
「は?これが仕事だからニャっ」
さっきまでニコニコとした顔付きが一瞬で真顔になった時は、さすがのオイラも少しビビったんダ!
「本当はサボリたいのに、こんなにすれ違いやがって、カスハン共にはホトホト困るニャっ」
「えっ?!」
「まぁ、でもこれだけ足を棒にしてまで集めてきやがったんだから、こちらとしても配らざるを得ないっていうかニャっ」
「えぇっ?!」
「ブニャニャニャニャッ、この俺様が配ってやるのニャっ、愚民共よ、地に這いつくばってこのカードを拾うがいいニャっ、ソーレっ、ホーレっ、ブニャニャニャニャーーッ」
「・・・・・・」
「・・・ニャっ・・・ニャハハっ・・・、一度でいいからそう言ってみたいが、そんな事をしたらギルドにクレーマーが電凸してくるから我慢してるニャっ」
「・・・・・・」
「・・・・・・ま、アレニャっ、君も大人になったら分かるのニャっ、仕事とか世間っていうものをニャっ」
オイラ・・・、触れてはいけない何かに触れてしまったのかナ・・・。
いくら純粋無垢なオイラでも分かるんダ!
郵便アイルーは、心のどこかに何かしらの深い闇を抱えているってサ・・・。
今日の出来事は、オイラの胸の奥にそっとしまっておくヨ!